【ワシントン=鈴木龍司】11月の米大統領選に向けて、民主党は2日、代議員のオンライン投票でハリス副大統領(59)が党の候補指名に必要な過半数の票を獲得したと発表した。撤退を表明したバイデン大統領(81)に代わって女性初の大統領を目指すハリス氏と、4年ぶりの返り咲きを狙う共和党のトランプ前大統領(78)が対決する構図が決まった。

◆クリントン氏以来2人目の女性候補

カマラ・ハリス米副大統領=2022年9月撮影(資料写真)

 ハリス氏は2021年に女性と黒人、アジア系で初の副大統領に就任。主要政党の女性大統領候補は16年の大統領選でトランプ氏に敗れた民主党のヒラリー・クリントン元国務長官以来、2人目となる。  民主党は代議員約4000人によるオンライン投票を5日に締め切り、ハリス氏を党候補に正式に指名。同氏は中西部イリノイ州シカゴで19~22日に開かれる党大会で指名受諾演説に臨む。  ハリス氏は2日、陣営のオンラインのイベントに電話で参加し、「大統領候補になることは光栄だ。未来の大統領としてこの戦いに挑み、われわれは勝利する」と表明。「党大会で一つの党として団結し、歴史的瞬間を共に祝うことになる」と述べた。  米メディアによると、ハリス氏は6日までに副大統領候補を決め、同日から激戦州を遊説する予定。初日に東部ペンシルベニア州を選んだことなどから、同州のシャピロ知事(51)が最有力視されている。

◆トランプ陣営が批判声明

 政治サイトのリアル・クリア・ポリティクスによると、2日時点の支持率平均はトランプ氏が47.7%、ハリス氏が46.5%で、1.2ポイント差の大接戦となっている。

共和党大統領候補の指名受諾演説に臨むトランプ氏=2024年7月18日、米ウィスコンシン州ミルウォーキーで、鈴木龍司撮影

 トランプ陣営は2日、ハリス氏が予備選を経ずに、代議員の投票のみで候補に正式指名されることについて「(予備選で)1票も得ることなく候補に指名された。民主党こそが真の民主主義への脅威だ」と批判する声明を出した。  民主党の候補指名を巡っては、バイデン氏が2月以降の予備選に勝利して指名を確実にしたが、高齢不安などを理由に支持率が低迷し、7月21日に撤退を表明。予備選をやり直す時間的な余裕がないため、バイデン氏から後任の候補に推薦され、大半の代議員や連邦議会議員の支持を固めたハリス氏を代議員の投票で「信任」する形を採った。 

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