【バンコク=藤川大樹】ミャンマー国軍は5日、北東部シャン州ラショーに拠点を置く北東軍管区司令部が抵抗勢力側に占拠されたことを事実上認めた。国内に14ある軍管区司令部の占拠は過去に例がなく、国軍が劣勢を強いられている状況が浮き彫りになった。

ミャンマー北東部シャン州で、国軍の北東軍管区司令部を占拠した民兵ら。ミャンマー民族民主同盟軍が3日、写真を公表した

 現地からの情報によると、国軍のゾーミントゥン報道官は「3日夜以降、司令部や軍幹部と連絡が取れなくなった」と明かし、「司令部は敵と勇敢に闘った」と国軍兵士をねぎらった。  同州で国軍と戦う少数民族武装勢力ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)は先月25日、いったん北東軍管区司令部の制圧を発表。その後も司令部内に残っていた国軍部隊が抵抗を続けていたが、8月3日に撤退。MNDAAは「完全に占拠した」と発表し、司令部前で撮影されたとみられる写真を公表した。  抵抗勢力側の関係者によると、MNDAAは北東軍管区司令部のソーティン元司令官や陸軍准将2人を拘束。国軍兵士や家族ら4000人以上が降伏したという。 

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。