【ソウル=上野実輝彦】北朝鮮メディアは5日、新型戦術弾道ミサイルの移動式発射台250台が「国境第一線部隊」へ引き渡されたと報じた。南北境界に近い韓国側基地を射程に入れたミサイルの配備を示唆し、威嚇する狙いがある。

◆金正恩氏「戦術核の実用面で効果」

北朝鮮の国旗

 平壌(ピョンヤン)で4日に開かれた引き渡し式で、朝鮮労働党の金正恩(キムジョンウン)総書記は「戦術核の実用面で効果を高めることができた。より完備され、向上した核態勢を備えていく」と強調した。発射台に搭載するのは射程約110キロの小型弾道ミサイルとみられ、聯合ニュースは「単純計算で同時に1000発を撃てる」と分析した。  5日付の党機関紙・労働新聞は、多数の発射台を前に正恩氏が演説している複数の写真を掲載した。写真には娘とされるジュエ氏も写っていたが、記事では言及がなかった。  正恩氏は演説で、米国について「子孫の代まで相手にする敵対国家」だとし、11月の大統領選の結果にかかわらず核・ミサイル開発を続ける意向を示した。7月下旬の北部での水害にも触れ「どんな環境でも国防力強化は推し進める」と述べた。 

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