バングラデシュでは、公務員採用の特別枠に反対する学生などによる大規模なデモが先月から国内各地に広がり、AFP通信などは、デモ隊と警察の激しい衝突でこれまでに少なくとも300人が死亡したと伝えています。

デモには野党支持者も加わり、警察の弾圧によって多数の死傷者が出ているとして、ハシナ首相の辞任を求めていました。

こうした中、バングラデシュの軍のトップが5日午後、記者会見を行い、ハシナ首相が辞任したと発表しました。

さらに、今後は暫定政権が発足するとしたうえで、学生らに対し、「衝突と破壊によって成し遂げられるものは何もない」と呼びかけ、平和的な解決を目指すと強調しました。

また、地元メディアによりますと、ハシナ氏はすでに国外に逃れたということです。

ハシナ氏は、2009年から15年間にわたって首相を務めてきましたが、強権的な政治姿勢が野党や人権団体などから批判を招いていました。

バングラデシュでは4日、無期限の外出禁止令が出されるなど市民生活への影響が広がっているほか、現地に進出する300社余りの日本企業も休業や工場の操業停止を余儀なくされていて、混乱が収束するか依然として見通せない状況です。

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