ガザ地区でイスラエルとの戦闘を続けるハマスのハニーヤ最高幹部が先月31日、訪問先のイランで殺害されたことを受けて、イランはイスラエルによる攻撃だとして報復する構えで、イランが支援する武装組織も報復に加わる可能性が指摘されています。

アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は5日、複数のアメリカ当局者の話として、イランがミサイルの発射台の移動や軍事演習を行っていて、数日のうちに報復が行われる可能性があるという見方を伝えています。

こうした中、イスラエルのガラント国防相は5日、訪問中のアメリカ中央軍の司令官と会談して報復攻撃への対応を協議したことを明らかにし、アメリカと連携しながら備える姿勢を強調しました。

一方、イラン国営テレビは英語版のウェブサイトに、イランが所有する最新の兵器について解説する記事を掲載しました。

記事では、ことし4月にシリアにあるイラン大使館が攻撃され、報復した際には使用しなかった最新鋭のミサイルが、今回の報復では使用される可能性があるほか、前回よりも大量の自爆型無人機が使われる可能性もあるなどと報じていて、緊張が続いています。

イスラエルとハマスによるガザ地区での戦闘が始まってから7日で10か月となりますが、イスラエル軍は6日、ハマスの戦闘員およそ45人を殺害したと発表するなど攻勢を続けています。

現地の保健当局はこれまでの死者が3万9623人に上ったとしていて、犠牲者の数は増え続けています。

イラクの米軍駐留基地に攻撃 警戒強まる

イランがイスラエルへの報復を明言し、緊張が高まる中、イラク西部にあるアメリカ軍が駐留する基地が攻撃され、アメリカとイスラエルの両政府は、警戒を強めています。

ロイター通信は5日、アメリカ政府当局者などの情報として、攻撃はロケット弾によるもので、アメリカ軍の関係者、少なくとも5人がけがをしたと伝えています。

アメリカ国防総省は、オースティン国防長官とイスラエルのガラント国防相が5日、電話で会談し、攻撃はイランと連携する武装勢力によるものだとして、イランがこの地域で不安定化を企てていることを示しているという認識で一致したということです。

今回の攻撃について、ホワイトハウスは、バイデン大統領とハリス副大統領にも報告されたとしていて、イランやイランと連携する武装勢力の動きに警戒を強めています。

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