ガザ地区でイスラエルとの戦闘を続けるハマスのハニーヤ最高幹部が先月31日、訪問先のイランで殺害されたことを受けて、イランはイスラエルによる攻撃だとして報復する構えで、イランが支援する武装組織も報復に加わる可能性が指摘されています。

殺害から1週間となる7日にはイランの呼びかけでOIC=イスラム協力機構の外相級の緊急会合が開かれることになっていて、イランとしてはイスラム諸国からの理解と支持を得たい考えです。

また、イランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派組織、ヒズボラの最高指導者ナスララ師は6日「われわれは強力で効果的な報復を行う」と述べて、報復を行う姿勢を強調しました。

イスラエルの北部では、6日もヒズボラによる無人機攻撃があり、地元メディアは市民や兵士など19人がけがをしたと伝えるなど、緊張が続いています。

イスラエルのガラント国防相は5日に続いて6日も空軍の部隊を視察し「日を追うごとにわれわれは防衛態勢を強化し、攻撃能力も高めている」と述べ対抗措置を行う姿勢を示し、イラン側を改めてけん制しました。

一方、ガザ地区ではイスラエルとハマスの戦闘が始まって7日で10か月となりますが、イスラエル軍は南部ハンユニスなどで攻勢を強めていて、戦闘がやむ兆しはありません。

ガザ地区の保健当局は6日、これまでの死者が3万9653人にのぼったとしていて、犠牲者が増え続けています。

ハマス ガザ地区トップの指導者をハニーヤ最高幹部の後任に

イスラム組織ハマスは6日、ガザ地区のトップのヤヒヤ・シンワル指導者を、殺害されたハニーヤ最高幹部の後任として政治局長に選んだと発表しました。

イスラエル軍はシンワル指導者を去年10月のハマスによる大規模な奇襲攻撃の首謀者だとして非難し、ハマスの壊滅に向けた殺害のターゲットとしています。

シンワル指導者がハマスの政治部門のトップとなったことでイスラエルとの停戦交渉への影響も注目され、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは交渉のプロセスが複雑化し、交渉が長引く可能性があると指摘しています。

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