【ワシントン=浅井俊典】アメリカ大統領選で民主党の候補指名が正式に決定したハリス副大統領(59)は6日、自身の副大統領候補に中西部ミネソタ州のワルツ知事(60)を選んだと発表した。ハリス氏は東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで選挙集会を開き、ワルツ氏とともに正副大統領候補での本格遊説を開始した。11月5日の大統領選まで約90日間の短期決戦となる中、ハリス氏は「この選挙戦はトランプとの戦いだけではない。未来をかけた戦いだ」と述べ、党内の団結を呼びかけた。

◆ペンシルベニアからラストベルトへ、激戦州取り込み狙う

 選挙戦から撤退したバイデン大統領(81)の後継指名を受けたハリス氏は約2週間で副大統領候補の決定にこぎつけ、共和党の正副大統領候補、トランプ前大統領(78)とバンス上院議員(40)と対決。本選に向け、ペンシルベニアなどの激戦州で票を取り込めるかが勝敗を左右する。  ハリス氏は6日、ワルツ氏のお披露目となった選挙集会で「ティム(ワルツ氏)は知事として労働者家族のために闘い続けてきた。私たちは中間層が強くなれば米国は強くなるとの考えで一致している」などと選任の理由を説明。約1万人の支持者を前に「私たちは後れを取っているが、勢いがある。すべての人に手を差し伸べると皆さんに約束する」と訴えた。

「ワルツ氏がチームに加わってくれてうれしい」と、自身のX(旧Twitter)にポストしたハリス副大統領(スクリーンショット)

 続いて演説したワルツ氏は「ハリス氏を手助けできることを誇りに思う」と述べた。トランプ氏については「あらゆる法律を愚弄(ぐろう)し、混乱と分裂の種をまく」と批判。バンス氏にも言及し「(副大統領候補討論会で)彼と討論するのが待ち切れない」と挑発した。

◆トランプ氏「ワルツは史上最悪」と対決姿勢

 ハリス氏とワルツ氏は9日まで中西部のウィスコンシン、ミシガンなど白人労働者が多く住むラストベルト(さびた工業地帯)や西部アリゾナなどの激戦州で遊説する。南部ジョージア州などでも予定していたが、熱帯暴風雨の被害が出ているため延期を決めた。  一方、トランプ氏は支持者に宛てたメールで「ワルツは史上最悪の副大統領候補になるだろう。危険なほどリベラルなハリスよりもさらに悪い」と批判。バンス氏は「(副大統領候補の人選は)ハリスがいかに急進的かを浮き彫りにした」と攻撃した。 

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