【NQNニューヨーク=横内理恵】22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前週末比253ドル58セント(0.66%)高の3万8239ドル98セントで終えた。中東情勢悪化への過度の懸念が和らいだことが投資家心理を上向けた。前週末にかけてハイテク株などの下げが加速したあとで、目先の自律反発を期待した買いが入った。

イスラエルとイランの両政府が攻撃の応酬に消極的との見方が浮上し、中東問題への警戒感が和らいだ。投資家のリスク回避姿勢が強まった際に資金の逃避先となりやすい金先物が下落し、米原油先物も下げる場面が目立った。

地政学リスクの高まりや米利下げ観測後退を受けてハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は19日までに6日続落し、1月下旬以来の安値を付けていた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は約2カ月ぶりに節目の5000を割り込んだ。ダウ平均の構成銘柄ではないが19日に10%下げたエヌビディアは4%高で終えた。

米主要企業の決算発表シーズンが佳境に入り、今週からハイテク企業の業績発表が本格化する。23日にテスラ、24日にメタプラットフォームズ、25日にマイクロソフトとアルファベットが発表を予定している。

内容を見極めたい市場参加者が多いなか、午前には小幅安に転じる場面があった。次第に持ち高を中立に戻す目的の買い戻しが優勢になり、ダウ平均は午後に一時460ドル上げた。

ダウ平均の構成銘柄では、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融の上げが目立った。データ管理システムを手掛ける企業の買収を断念したと伝わったセールスフォースも高い。一方、22日発表の四半期決算で売上高が市場予想に届かなかったベライゾン・コミュニケーションズは大幅安だった。

ナスダック指数は7営業日ぶりに反発した。前週末比169.295ポイント(1.10%)高の1万5451.305で終えた。前週下げが大きかった半導体関連が全般に買われた。一方、米中などでの再値下げが明らかになり、業績不透明感からテスラが下げた。

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