JR九州によりますと、子会社のJR九州高速船は、福岡と韓国プサンを結ぶ高速船「クイーンビートル」の船首部分に浸水があるのをことし2月に把握しながら、法律で義務づけられた検査や修理、国への報告を行っていませんでした。

さらにその後も浸水を検知する警報センサーが作動しないようにするなどトラブルが起きていないように装って3か月以上運航したあと、修理をして運航を続けていましたが、今月6日に行われた国の抜き打ちの監査で一連の不正が発覚しました。

この問題を受けて親会社のJR九州は13日、JR九州高速船の田中渉社長を解任したうえで14日に会見を開きました。

会見で松下琢磨取締役は浸水の深さは最大で1メートルだったことや日誌などには「異常なし」と虚偽の記載をしたうえで、別の管理簿に実際の浸水のデータを記録していたことを明らかにしました。

また、3か月を超える運航の継続は解任された社長が指示し、偽装についても把握していたと説明したうえで「関係者や利用客に迷惑をおかけし、本当に申し訳ない。調査を続けるとともに安全意識と体制をしっかり築くことを最優先に取り組みたい」と述べました。

クイーンビートルは国の監査が続いていることから13日から運休していて、JR九州によりますと2万2000人に影響が出ているということです。

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