タイのセター首相は、ことし4月の内閣改造でタクシン元首相の元弁護人を閣僚に任命しましたが、この人物が過去に有罪判決を受けていたとして、当時の保守派の上院議員らから解職を求める訴えが出され、憲法裁判所が審議をしていました。

この閣僚人事について憲法裁判所は14日、憲法で定められた倫理規定に反するとしてセター首相の解職を命じる判断を示しました。

セター首相が所属する最大与党「タイ貢献党」は長年、対立関係にあった軍に近い保守政党などと連立政権を組んでいますが、今回の裁判について地元メディアからは「タイ貢献党」に対する保守派の勢力によるけん制だとの見方も出ています。

セター首相は失職し、今後、議会で新たな首相が選出されることになりますが、タイの政治の混乱は避けられない情勢です。

タイの憲法裁判所は、今月7日にも民主派の最大野党「前進党」に対し、王室への中傷を禁じる不敬罪の改正を公約に掲げていたことをめぐって解党を命じています。

タイの憲法裁判所はこれまでもたびたび軍や保守派に有利な判断を示していて、その公正さを疑問視する声も出ています。

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