タイの連立与党は15日、次期首相候補に、与党第1党・タイ貢献党のペートンタン・シナワット党首(37)を選んだ。ペートンタン氏はタクシン元首相の次女で、インラック元首相のめい。16日の下院による首相指名選挙で過半数の支持を得て、就任する見通しだ。

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 与党各党は、貢献党出身のセター首相が14日、憲法裁判所の解任命令で失職したのを受け、対応を協議。長く対立関係にあったタクシン派の貢献党と親軍保守派などによる連立の枠組みを維持し、貢献党から次期首相を出すことで合意した。

 野党側では、憲法裁が7日、最大野党・前進党に解党命令を出し、同党の所属議員らが後継政党の国民党を立ち上げたばかり。国民党は下院で最大の143議席を持つが、党首は15日、特定の首相候補を支持せず、野党にとどまる方針を発表した。

 今回の首相指名選は、軍事政権時代に決められた規定により、昨年行われた前回の首相指名選で各党が提出した首相候補リストの7人から選ぶ決まりになっており、解党で旧党の幹部が議員資格を失った国民党には候補者がいなかった。(バンコク=武石英史郎)

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