ハリス米副大統領(左)とバイデン大統領=資料写真

 【ラーゴ=浅井俊典】アメリカ民主党の大統領候補のハリス副大統領(59)は15日、バイデン大統領(81)とともに東部メリーランド州ラーゴで集会を開き、薬価の引き下げなどにより特に中間層の負担軽減を図る姿勢を訴えた。2人がそろって演説するのは、7月21日のバイデン氏の撤退後初めて。19日から始まる党大会を前に両氏の結束を示し、バイデン政権の遺産はハリス氏に引き継がれるとアピールした。  2人は一緒に登壇し、ハリス氏が先に演説。バイデン氏を「手ごろな医療へのアクセスを拡大するなど、これほど多くの実績を残した指導者はほとんどいない。並外れた大統領だ」と紹介すると、会場の支持者らは「サンキュー、ジョー」コールを繰り返してバイデン氏をたたえた。

◆処方薬の価格引き下げをアピール

 集会に先立ちバイデン政権は、主要政策として取り組んだ「インフレ抑制法」に含まれる処方薬の価格引き下げについて、がんや糖尿病など10種類の薬価引き下げで大手製薬会社と合意したと発表。ハリス氏は「高齢者は長い間、薬を買うお金に苦労してきた。こうして交渉の結果を発表できるのは大きな名誉だ」と政権の成果を誇った。  続いて演説したバイデン氏は、ハリス氏がインフレ抑制法の成立に尽力したと指摘した上で「彼女はとてつもない大統領になる」と持ち上げた。さらに「ハリス氏と私はすべての人の負担を下げるために闘い続ける」と強調。富裕層を優遇する共和党の大統領候補、トランプ前大統領(78)をけん制し、ハリス氏への支持を呼びかけた。  民主党は19~22日に中西部イリノイ州シカゴで党大会を開き、トランプ氏との対決に向けて党内の結束を図る。バイデン氏は初日に演説し、ハリス氏は最終日に党候補の指名受諾演説に臨む見通し。 

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