国際社会で存在感を高めるインド政府は17日、新興・途上国による「グローバルサウスの声サミット」をオンラインで開催し、エネルギーや食料価格の上昇、気候変動対策などの世界的な課題に対して各国が団結する重要性を訴えた。
サミットは昨年1月、11月に続いて3回目。過去2回は、100カ国以上が参加し、各国の首脳や外相、財務相らが意見を交わしてきた。
インドのモディ首相は17日の会議の冒頭で、「戦争が我々の発展の道のりにおいて課題をもたらしている」と述べたうえで、「グローバルサウスの国が団結し、声を一つに立ち上がることが求められている」と語った。
会議には、隣国バングラデシュの暫定政権で最高顧問に就任したノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏も出席。インドとの関係を重視する姿勢を見せた。
バングラデシュでは、8月5日に政府に対する抗議デモが拡大し、強権的と批判されたハシナ前首相が辞任に追い込まれた。関係の深かったインド政府はハシナ氏を保護する一方、バングラデシュ国内での反インド感情の高まりも懸念している。
モディ氏は会議前日の16日、ユヌス氏と電話で協議し、会議への参加を要請。暫定政権への支援も表明し、関係の構築を図った。(ニューデリー=石原孝)
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