米国のブリンケン国務長官は19日に訪問先のイスラエルでネタニヤフ首相と会談し、パレスチナ自治区ガザの停戦に向けた提案をネタニヤフ氏が受け入れたと明らかにした。ブリンケン氏はイスラム組織ハマスに提案に応じるよう求めた。ハマスは調停案に反発しており、強硬姿勢を崩していない。
ブリンケン氏はネタニヤフ氏と停戦や人質の解放に向けた提案について協議した。人質の奪還に向けて、イスラエル側に今回の停戦協議への合意を促したという。会談後にブリンケン氏は停戦で合意できるかは「ハマスにかかっている」と述べた。
20日にブリンケン氏は停戦に向けた協議を仲介するエジプトやカタールを訪問する予定で、情勢の協議のほかハマスへの働きかけをはかるとみられる。
ブリンケン氏はまた「明確な合意に達するプロセスを完了させなければならない」とも述べた。仲介役を担う米国、カタール、エジプトの3カ国は今週中の合意を目指すとしている。
ハマスは調停案に反発している。中東の衛星放送局アルジャズィーラはハマス側が米国について「イスラエルに虐殺を続けるための時間を与えている」と非難したと報じた。
ハマスは18日に足元で協議されている調停案は受け入れられないとする声明を発表した。
ガザとエジプトの境界付近の「フィラデルフィア回廊」やガザ中部の「ネツァリム回廊」について、イスラエルが停戦中も支配を続けるとの項目に難色を示した。「ネタニヤフ氏が合意の障害になっている」と強調した。
イスラエル側が求める人質解放の条件として、ハマスはイスラエル軍のガザからの完全撤退を求めている。
今回の停戦協議は15日にカタールの首都ドーハで始まった。調停案の詳細は明らかになっていないが、5月末に米国のバイデン大統領が提示した案が元になっている。
イランは7月31日に首都テヘランでハマスのハニヤ最高指導者が暗殺されたことに反発し、イスラエルへの報復を宣言した。停戦交渉が難航すれば中東の戦火がさらに広がりかねず、米国などは停戦合意の実現を急いでいる。
ガザでは戦闘が続いている。パレスチナ通信は19日、イスラエル軍によるガザ市西部の難民キャンプへの砲撃で子供を含む9人が死亡したと報じた。
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