【NQNニューヨーク=横内理恵】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落し、前日比61ドル56セント安の4万0834ドル97セント(速報値)で終えた。前日にかけて上げが続いた後で、主力銘柄の一部に持ち高調整や利益確定の売りが出た。半面、米景気が大幅に悪化するとの懸念が後退していることが支えとなり、下値は堅かった。

ダウ平均は前日までの5営業日で1500ドルあまり上昇し、7月17日に付けた最高値(4万1198ドル)まで約300ドルに迫っていた。21日に米連邦準備理事会(FRB)が公表する米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月30〜31日開催)や23日のカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエルFRB議長の講演内容を見極めたい参加者が多く、積極的な買いが入りにくかった。

もっとも売りは限られ、小幅に上昇する場面もあった。前週発表の経済指標がインフレ鈍化や消費の底堅さを示した。FRBが9月のFOMCで利下げに動くとの見方も強まっている。「米景気や企業業績など米国株のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は依然としてかなり良い」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との見方は安心感につながっている。

ダウ平均ではボーイングの下げが目立った。新型機「777X」の機体に損傷が見つかり、試験飛行を中断したことが明らかになった。インテルやダウなども下げた。一方、ホーム・デポやウォルマートは買われた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は9営業日ぶりに反落し、前日比59.834ポイント安の1万7816.937(速報値)で終えた。エヌビディアが安い。一方、19日夕発表の決算が市場予想を上回った情報セキュリティーのパロアルト・ネットワークスは大幅高だった。

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