EUの執行機関、ヨーロッパ委員会は、ことし7月、中国から輸入されるEVについて中国政府から不公正な補助金を受けていて、ヨーロッパの企業に損害を与えるおそれがあるとしてすでに課している10%に加え、暫定的に最大で37.6%の関税を上乗せする方針を明らかにしていました。

これについて20日、これまでの調査を踏まえ、税率を下方修正し、最大で36.3%の関税を上乗せするという最終案を公表しました。

このうち、アメリカの電気自動車メーカー、テスラの中国の工場から輸出されるEVについては中国政府から受けている補助金が少ないとして、ほかのメーカーよりも低い水準の9%を上乗せするとしています。

今回の最終案はEU加盟国による投票などを経て、ことし10月30日までに本格的に導入される見通しです。

これに対し、中国商務省は報道官の談話を発表し「中国はあらゆる必要な措置を講じ、中国企業の正当な権利と利益を断固として守っていく」として対抗措置をとる可能性を示唆しました。

今回のEUの措置をめぐり、中国政府は今月9日に、WTO=世界貿易機関に提訴したと明らかにしています。

中国商務省「断固として反対」対抗措置を示唆

今回の最終案について、中国商務省は報道官の談話を発表し「双方が互いに同意した事実ではなく、ヨーロッパ側が一方的に認定した『事実』に基づくもので、中国は断固として反対し、非常に懸念している」と非難しました。

その上で「中国はあらゆる必要な措置を講じ、中国企業の正当な権利と利益を断固として守っていく」として対抗措置をとる可能性を示唆しました。

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