【シカゴ=浅井俊典】アメリカ中西部イリノイ州シカゴで開催中の民主党大会は2日目の20日、黒人初の大統領となったオバマ元大統領(63)が基調演説し「米国は新たな章を迎える準備ができている」と述べ、黒人女性、アジア系として初めて大統領候補となったハリス副大統領(59)への支持を呼びかけた。  オバマ氏は、自身の副大統領を務めたバイデン大統領(81)が選挙戦から撤退したことについて「大きな危機に際して民主主義を守った傑出した大統領として記憶されるだろう」とたたえ、「バトンは渡された。私たちが信じる米国のために全員が戦わなければならない」と訴えた。

20日、米シカゴの民主党大会で演説するオバマ元大統領=浅井俊典撮影

 自らの大統領選のキャッチフレーズ「Yes We Can(私たちにはできる)」になぞらえ、ハリス氏について「Yes She Can(彼女ならできる)」とも繰り返し、参加者も大合唱した。  オバマ氏の前に演説した妻ミシェルさんは、オバマ氏が大統領選で「希望」や「変革」をキーワードに戦ったことを引き合いに「米国に希望が戻りつつある」と強調。「中流家庭から副大統領になったカマラ・ハリスの物語は、より良い人生を築こうとする大多数の米国人の物語だ。彼女はこれまで大統領を目指した中で最もふさわしい人物の一人だ」と語った。  党大会では、全米50州などから集まった代議員が州ごとの票数を読み上げ、ハリス氏と中西部ミネソタ州のウォルズ知事(60)を正副大統領候補に指名したことが確認された。  同日に激戦州の中西部ウィスコンシン州で選挙集会を開いたハリス氏は中継映像で「光栄だ。私たちは力を合わせて新たな道を切り開く」と述べた。 

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