米国防総省の建物(2020年、米バージニア州)=ロイター

【ニューヨーク=共同】21日付米紙ニューヨーク・タイムズは、中国の急速な核戦力増強に対抗するため、バイデン大統領が3月に核戦略の変更を了承していたと報じた。これまではロシアの脅威に主眼を置いていた。中国、ロシア、北朝鮮が核協力を深める可能性を警戒し、対抗する内容も含まれているという。

バイデン氏は政権発足当初、オバマ元大統領が掲げた「核なき世界」の方針を引き継ぐと強調。核戦力強化にかじを切ったトランプ前政権を経て、核軍縮の流れが復活すると期待されていた。しかし中国の核戦力増強に加えてロシアのウクライナ侵略もあり、核軍縮は停滞している。

ニューヨーク・タイムズによると、4年ごとに更新する「核運用指針」と呼ばれる文書で核戦略を変更した。機密扱いのため、詳細は明らかになっていない。

国防総省は昨年10月、中国で運用可能な核弾頭が2030年に千発を超えるとの予測を公表した。米側は中国の不透明な核戦力増強に懸念を強めている。

スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、今年1月時点で中国が保有する核弾頭数は推計500発。同研究所は「どの国よりも核戦力を速く拡大させている」と指摘していた。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。