25日、レバノン南部でイスラエル軍の空爆後に立ち上る煙(ゲッティ=共同)

 【エルサレム共同】レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラが25日、イスラエルに対し最大規模の攻撃に踏み切った。パレスチナ自治区ガザの停戦交渉がエジプトで開かれる直前で、ヒズボラにはイスラエルが交渉に真剣に取り組むよう圧力をかける狙いがあったとみられる。ただ、ヒズボラ、イスラエル双方ともに本格戦闘への拡大は避けたい意図も透けて見える。  「犯罪者には必ず報復する」。ヒズボラは25日の声明で、最高幹部シュクル司令官が7月にイスラエル軍に殺害されたことへの報復を宣言した。だが大量のロケット弾を発射したと主張すると同時に、攻撃の「第1段階が終了した」と表明。事態の幕引きを図った。  イスラム組織ハマスの最高指導者だったハニヤ氏を国内で暗殺されたイランは、報復攻撃を急がず、停戦交渉を注視する意向だ。停戦交渉では、ガザ・エジプト境界へのイスラエル軍駐留継続が争点化しており、ヒズボラにはけん制する狙いがあった可能性がある。


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