イスラエル軍の攻撃を受けて住宅街から上がる煙(25日、ガザ中部デールバラハ)=ゲッティ共同

【エルサレム=共同】パレスチナ自治区ガザの停戦交渉を巡り、イスラム組織ハマス幹部のハムダン氏は25日、米国がイスラエルとハマスの隔たりを埋めるとして新たに示した調停案を「受け入れない」と表明し、仲介国に伝えたと明らかにした。ハマス系列メディアが報じた。双方の駆け引きは続くとみられるが、米国が目指した交渉の早期妥結は困難になった。

一方、ロイター通信は25日、最高幹部殺害の報復としてイスラエルを攻撃したレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラが、イスラエルとの間で「これ以上の緊張激化は望まない」とする考えを伝達し合ったと報じた。指導者ナスララ師は報復後の演説で、さらなる攻撃について「状況を注視する」として明言を避けた。

ガザ停戦交渉を巡って、イスラエル代表団は25日、エジプトの首都カイロを訪れ、米国やカタール高官らと協議した。イスラエルメディアによると、代表団は同日中に帰国し、ネタニヤフ首相と対策を検討した。

米国は今月再開した停戦交渉で、新たな調停案を提示した。この案に盛り込まれたガザ・エジプト境界でのイスラエル軍駐留が交渉の争点となり、ネタニヤフ氏は境界の一部からの撤収を認めて譲歩したとされた。

だがハムダン氏は、ハマスが譲歩したとされる7月上旬時点の案から「後退している」と批判。別のハマス幹部も軍のガザ完全撤退を求める姿勢を改めて強調し、7月案に戻すよう要求した。

イスラエル軍は25日もガザ各地を攻撃した。ガザ保健当局によると、戦闘開始後のガザ側死者は4万405人。

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