イタリアは8月22日から海軍の空母「カブール」を神奈川県の海上自衛隊横須賀基地に寄港させています。

「カブール」は全長244メートルのイタリア海軍を代表する空母で、26日は、甲板での取材がNHKとイタリアのメディアに許可されました。

披露されたのは搭載されている最新鋭のステルス戦闘機「F35B」8機や、ハリアー攻撃機7機などです。

イタリア海軍によりますと、空母は27日に横須賀基地を出港し、海上自衛隊などと共同訓練を行ったあと、フィリピンやインドなどインド太平洋地域の各地に寄港し11月にイタリアに戻る予定だということです。

イタリア海軍のトップ、クレデンディーノ参謀長は、空母の特徴について「カブールはイタリアの空母打撃群の中心で、離れた場所まで移動し任務を遂行できるイタリアの能力を示している」と強調しました。

そのうえで共同訓練について「水上や空、水中などあらゆる面での訓練を行う。日本との相互運用性を高めていく。これは始まりに過ぎず、さらに訓練を進めていきたい」と話していました。

イタリア国防相 “両国の軍事面での協力 非常に重要”

イタリアのクロセット国防相は海軍の空母を日本に初めて寄港させたことについて「日本とイタリアとの緊密な関係を示すためだ」と述べ、インド太平洋地域の安定に向けて日本と安全保障面での連携を深めたい考えを示しました。

イタリアは海軍の空母「カブール」を日本に初めて寄港させているほか、イタリア海軍の練習用帆船も派遣し、26日、都内では来日したイタリアのクロセット国防相も出席して記念のセレモニーが行われました。

セレモニーの後、NHKの単独インタビューに応じたクロセット国防相は、空母を寄港させたねらいについて「日本とイタリアとの緊密な関係を示すためだ。両国の軍事面での協力が今後、非常に重要になる」と述べました。

その上で「アジアだけでなく世界全体にとって経済的に重要なインド太平洋地域をイタリアが重視していることを意味する」と強調し、貿易立国のイタリアにとって重要性を増すインド太平洋地域の安定に向けて日本と安全保障面での連携を深めたい考えを示しました。

一方で、今回、空母は台湾海峡を通過しないと明らかにした上で「空母の派遣は、誰かを挑発するためのものではない」と述べ、中国との摩擦は避けたいという姿勢を示しました。

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