停戦と人質解放に向けた協議 焦点は
イスラエル軍は26日もガザ地区への攻撃を続けていて、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、北部のガザ市で7人が死亡したと伝えています。
また、地元の保健当局は、これまでの死者が4万435人にのぼったと発表し、住民の犠牲も増え続けています。
一方、イスラエルとハマスの間で続く停戦と人質解放に向けた協議では、イスラエル軍が「フィラデルフィ回廊」と呼ばれるガザ地区南部のエジプトとの境界地帯に停戦後も部隊を駐留させるかどうかが焦点のひとつになっています。
これについてアメリカのCNNテレビは26日、関係者の話として現在の提案ではガザ地区の「人口密集地域」からのイスラエル軍の撤収を求めているものの、フィラデルフィ回廊のどの部分が「人口密集地域」に該当するかをめぐり、議論が行われていると報じています。
また別の関係者の話として、実務者レベルの議論が数日間にわたって続くという見通しも伝えていて、今後、さらなる協議が行われるものと見られます。
ただ、ハマスの壊滅を目指してガザ地区の管理を続けたいイスラエル側と、イスラエル軍の完全な撤退を求めるハマス側の立場の隔たりは大きく、仲介国のカタールとエジプト、そしてアメリカが、双方が受け入れられる妥協案を示すことができるか注目されています。
イラン外相 協議仲介役のカタールと会談 “協議の状況 注視”
ハマスの後ろ盾となっているイランの外務省は26日、声明で、アラグチ外相が、停戦に向けた協議で仲介役を務めるカタールのムハンマド首相兼外相と、首都テヘランで会談したことを明らかにしました。
この中で、アラグチ外相は「パレスチナの抑圧された人々に対するイスラエルの犯罪を止めようとするカタールの努力をイランは歓迎する。われわれの友人であるハマスが受け入れるどんな合意も支持する」と述べ、引き続き協議の状況を注視する考えを示しました。
イランは、ハマスの当時の最高幹部の殺害を受けて宣言しているイスラエルへの報復について、この協議の行方を見極めながら時期や方法を慎重に判断する構えを示しています。
米国防総省報道官 イランが攻撃に踏み切る可能性“依然ある”
中東情勢をめぐり、アメリカ国防総省のライダー報道官は26日、記者団に対して「われわれはイランによる攻撃の脅威があると引き続きみている」と述べ、イランが停戦に向けた協議の行方を見極める姿勢を示しているものの、依然として、イスラエルに対して攻撃に踏み切る可能性があるという認識を示しました。
そのうえで「われわれはイスラエルの防衛を支援するとともに、アメリカ軍の部隊を守ることができるよう態勢をとっている」と述べ、中東地域に展開している空母打撃群などによる警戒を続ける考えを示しました。
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