ロシア軍は26日、ウクライナ各地にミサイルや無人機による攻撃を行い、ウクライナのメディアはこれまでに北西部ジトーミル州や南部ザポリージャ州などで合わせて5人が死亡し、30人がけがをしたと伝えています。

首都キーウでは8時間近くにわたって防空警報が発令され、ロイター通信は地下鉄の駅では数千人の市民が避難を余儀なくされたと報じました。

今回の攻撃についてゼレンスキー大統領はSNSに投稿した動画で「これまでで最大級のものだ。さまざまな種類のミサイル100発以上とおよそ100機の無人機を組み合わせた形の攻撃だった」と述べ、ロシア側を強く非難しました。

また、ロシア国防省はウクライナの重要なエネルギー施設に対して攻撃を行ったと発表し、ウクライナ各地で停電や断水が発生しました。

キーウ郊外では発電所から火が上がり、広い範囲に燃え広がりました。

シュミハリ首相はSNSで「ウクライナへの攻撃をとめるには、ロシアのミサイルの発射場所を破壊する必要がある」と強調し、欧米が供与した射程の長い兵器の使用制限を撤廃するよう改めて欧米側に訴えました。

一方、ウクライナ外務省は25日、ロシアの同盟国ベラルーシがウクライナ国境近くに軍の部隊を集結させているとして、国境から部隊を引き揚げるよう求める声明を発表し、ベラルーシの動きに警戒を強めています。

米大統領補佐官「最も強いことばで非難する」

ロシア軍が26日、ウクライナ各地でミサイルや無人機による大規模な攻撃を行ったことについて、アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は記者団に対し「ロシアがウクライナに対する戦争を続け、ウクライナの人々を暗闇に陥れようとする取り組みを最も強いことばで非難する」と述べました。

その上でウクライナに対して欧米各国などとともに防空システムなどの供与を続けるほか、ロシアが破壊したエネルギー施設の修復のために電力設備の提供を急増させていると強調し「ウクライナに対するわれわれの支援は揺るがない」と述べました。

北方領土のロシア人関係者が死亡

ロシア極東サハリン州の南クリル地区は26日、ウクライナへの軍事侵攻で、北方領土のロシア人関係者が死亡したと発表しました。

死亡したのは2016年から2018年まで北方領土の国後島、色丹島、歯舞群島を事実上、管轄する南クリル地区のトップを務めたコンスタンチン・ブタコフ氏です。

発表では「今月20日、ウクライナへの特別軍事作戦が行われている地域で死亡した」としています。

ブタコフ氏は北方領土の元島民などが故郷の島を訪れる「北方墓参」や「ビザなし交流」などで、国後島で受け入れを担当していました。

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