トランプ氏はジョージア州の選挙管理委員会委員を称賛した=ロイター

【ワシントン=芦塚智子】米民主党は26日、南部ジョージア州の選挙管理委員会が導入した新規則について、11月の大統領選で選挙結果認定の引き延ばしにつながるとして無効化を求めて州の裁判所に提訴した。共和党候補のトランプ前大統領が敗北した場合に選挙結果を覆そうとする企ての一環だと主張している。

ジョージアは大統領選の激戦州の一つ。同州の選挙管理委員会は5人で構成し、トランプ派とされる委員3人の賛成で新規則の導入を決めた。

米メディアによると、新規則は郡の選挙管理委員が選挙結果を認定する前に「合理的な照会」をし、各選挙区の投票数と有権者数の不一致などを調査できる権限を与える。

訴状は、新規則が選挙管理委員に選挙結果の認定を義務付けた州法に違反していると指摘した。新規則の導入が、州の選挙管理委員会の権限を逸脱していると指摘した。

新規則を認めれば、各郡の選挙管理委員などが結果認定を引き延ばしたり、拒否したりする可能性があり、混乱が起きかねないと警告した。トランプ氏が選挙結果を操作するため各郡にトランプ派の委員を送り込むことを懸念しているとみられる。

共和側は、新規則は選挙の公正さを確実にするための「常識的な変更」だと反論している。

トランプ氏は今月初めに同州で開いた集会で、新規則を導入した同州の選挙管理委員会委員3人を名指しして「素晴らしい働きをしている」「公正、透明性、勝利のために闘う闘犬だ」と称賛していた。

トランプ氏は2020年の大統領選で自身が敗北したジョージア州の選挙結果を覆そうとした罪で起訴されている。

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