ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、首都キーウで開いた記者会見で、ロシアの軍事侵攻を終わらせるための計画を、9月、アメリカのバイデン大統領らに提示すると明らかにしました。

ゼレンスキー大統領は、計画には、ロシア西部のクルスク州への越境攻撃も含まれるとしたうえで、▽世界的な安全保障システムの中でウクライナの確固たる地位を明確にすることや▽ロシアに外交的な圧力をかけることなどが盛り込まれているとしています。

これについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は28日、「今回のような提案をウクライナ側から聞くのは初めてではない」としたうえで「今後も特別軍事作戦を継続し、すべての目標を達成するつもりだ」と述べ、ウクライナ側の計画の内容に関係なく、軍事侵攻を続ける考えを強調しました。

一方、ロシア西部のクルスク州は28日、州内にあるクルスク原子力発電所にウクライナ軍が侵入を試みているとして、安全対策を理由に、原発があるクルチャトフの町への住民以外の立ち入りを制限すると発表しました。

ウクライナ高官「ロシアを強制的に和平に向かわせるための計画」

ウクライナのゼレンスキー大統領が27日、明らかにした、ロシアの軍事侵攻を終わらせるための計画についてポドリャク大統領府顧問はSNSに具体的な内容を投稿し、「ロシアを強制的に和平に向かわせるための具体的な計画だ」と強調しました。

そのうえで、計画には▽世界的な安全保障システムの中でウクライナの確固たる地位を明確にすることや▽軍事支援を大幅に増加させ加速させること、それに▽ロシアに対する経済的な圧力を拡大することが盛り込まれているとしています。

そして▽ロシア西部への越境攻撃など、戦地での戦略的・戦術的作戦や▽ロシアに対する強力な外交的圧力についても計画に含まれるとしています。

ゼレンスキー大統領はこの計画について来月、アメリカを訪問し、バイデン大統領に提示するほか、大統領選挙に立候補している民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領にも伝えると明らかにしていますが、ポドリャク顧問は、すべての友好国や支援国にも示すとしています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。