【ソウル=上野実輝彦】韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は29日、ソウルの大統領府で記者会見し、岸田文雄首相が退任した後の日韓関係について「秋に就任する新首相とも、未来のための協力が維持できるよう話していきたい」と語った。

尹錫悦大統領(2023年)

 9月上旬を軸に調整が進む岸田首相の訪韓については、まだ確定していないとした上で「形式や時期にこだわらず、必要に応じてシャトル外交をすると約束した。訪韓したら歓迎する」と話した。

◆反発招いた「医学部の定員増」は維持

 バイデン米大統領の退任にも触れ「韓米日の協力は、指導者が交代しても変わるものではない」と強調。韓国内の一部で強まっている独自の核保有論に関しては「核拡散防止条約(NPT)体制が崩壊すれば北東アジアの安全保障が脅かされる」として、否定的な考えを改めて示した。  内政では年金、医療、教育、労働の4分野の改革を集中的に進めるとし「韓国の生存と未来がかかった課題だ」と訴えた。医学部の定員増に反発した研修医が医療ストを続けている問題には、「研修医に依存していた総合病院の構造を、専門医や看護師中心に変える」と強調。その上で定員増の方針を維持し、地域や診療科ごとの医師偏在の解決に注力する意向を示した。 

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。