世界を魅了する韓国コスメの研究開発の最前線に、海外テレビメディアのカメラが初めて入りました。
きらきらのラメに、透明感のあるクッションファンデ(ファンデーション)など、トレンドの商品が次々と並ぶ韓国コスメ。
世界の化粧品輸出額を見ると、2021年にはアメリカ、フランスに次ぐ3位に浮上し、世界市場で急成長を続けています。
こうした勢いの背景にあるのが「ODM」というブランド側から製品の開発や生産を請け負う企業の存在です。
化粧品のODM企業の世界最大手と呼ばれる「COSMAX」は、約1100人の研究員により、年間約8000もの新商品を生み出しています。
化粧品で重要となる色のサンプル。
ここにあるのはほんの一部で、ニーズにあわせて都度、微妙な色合いを開発しているといいます。
研究員は「チークは色が重要なので、少なくとも4、5種類。多いときには18種類の原料を使うこともある」と話しました。
業界最大手と呼ばれるCOSMAXの研究の核心といえるものが、マイクロバイオーム研究です。
マイクロバイオームとは、人の皮膚や腸などに存在する微生物の集合体で、肌に良い有効成分を生み出すことで知られています。
COSMAXは、世界で初めてマイクロバイオームを活用し、アンチエイジング効果が期待されるという化粧品を開発しています。
COSMAX BTI R&Iセンター カン・スンヒョン副院長:
われわれは大手コスメブランドに比べて、はるかに多くの研究とノウハウの蓄積がある。それがODMから顧客企業(コスメブランド)に提供できる多様性を最大化しているのでは。
自社研究で革新的な商品開発を後押しするODM企業。
その存在は商品開発のスピードにも影響しています。
日本でも高い人気を誇る韓国コスメブランド「rom&nd」は、「COSMAX」とタッグを組むことで業務の効率化を促進。
それにより、トレンドを押さえたブランディングなどに集中することが可能になったといいます。
コスメブランド「rom&nd」担当者:
ブランドの立場としては(ODM企業は)とても心強いパートナー。形・色のような品質的部分はODM企業が責任を負ってくれるので、われわれはどうしたら消費者が喜ぶか、パッケージングをしてPRする。役割が本当に細分化される。
ODM企業のサポートを受け、世界へ躍進する韓国コスメ。
専門家は日本の化粧品業界にとっても学ぶべき点があると話します。
アジアの化粧品業界に詳しい「国際商業」長谷川隆編集長:
若年層の人たちの心をつかんだり、話題を広げていくうまさは、韓国コスメは非常に優れているので、日本企業はそういう点は学んで、自分たちのブランドに生かしていくのが(日本の)化粧品の市場活性化に間違いなくつながると思う。
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