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WHO “ガザ地区で戦闘一時停止が約束” ポリオワクチン接種へ
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停戦と人質解放めぐる協議続く ガザ地区ではポリオ感染拡大懸念
WHO “ガザ地区で戦闘一時停止が約束” ポリオワクチン接種へ
WHO=世界保健機関は29日、パレスチナのガザ地区で25年ぶりに感染が確認されたポリオのワクチン接種のため、ガザ地区を3つに分けて順番に戦闘を一時停止することがイスラエルとイスラム組織ハマスの双方から約束されたとして、来月1日からワクチン接種を開始すると発表しました。
ポリオは主に乳幼児が感染し、発症すると手足にまひが残ることもある病気で、ガザ地区では戦闘の長期化で衛生環境が極めて悪化するなか今月、25年ぶりに感染が確認されました。
こうした中、ガザ地区で活動するWHOの担当者は29日、イスラエルとハマスの双方からガザ地区を3つに分けて順番に戦闘を一時停止することが約束されたとして、来月1日からワクチン接種を始めると発表しました。
接種は、ガザ地区の子ども64万人以上を対象として、まずガザ地区の中部で始まり、その後、南部、そして北部という順番で少なくとも3日間ずつ行われる予定だとしています。
WHOの担当者は「地域ごとに人道的な戦闘の一時停止が約束されたことを歓迎する」としたうえで、「子どもや家族が安全に医療施設を利用し、ワクチン接種を受けられるようすべての当事者に対して戦闘を止めるよう呼びかける」と話しています。
ただ、戦闘の一時停止の時間帯は、午前6時から午後2時または3時の間ということで、限られた時間にワクチン接種を安全に進められるかが、課題となっています。
停戦と人質解放めぐる協議続く ガザ地区ではポリオ感染拡大懸念
ガザ地区での停戦と人質の解放をめぐる協議は、イスラエルが停戦後もガザ地区の戦略的要衝に部隊を駐留させ続けると主張しているのに対し、ハマスが完全な撤退を求めて難航していて、29日も仲介国のカタールで実務者レベルの話し合いが続いていると伝えられています。
こうした中、イスラエル軍は連日、ガザ地区で激しい攻撃を続けていて、地元のメディアは、29日も南部のハンユニスや北部のガザ市などで避難している住民のテントなどが爆撃を受け、8人が死亡したと伝えています。
戦闘が長期化する中、ガザ地区では水道などが破壊されて清潔な水の入手が極めて難しくなるなど衛生環境が悪化し、25年ぶりにポリオの感染が確認されています。
生後11か月の息子がポリオと診断されたネビン・アブルジディヤンさんはNHKガザ事務所の取材に対し「衛生的な水や食べ物がなく、戦争と避難生活のせいでワクチン接種も受けられませんでした」と話しました。
息子は入院して解熱剤などの投与を受けましたが、いまも下半身にまひが残っているということです。
アブルジディヤンさんは「まだ幼い息子がほかの子と同じように歩けるようになることを祈っています」と話していました。
国連は、ガザ地区で64万人以上の子どもたちにポリオのワクチンを接種する準備を進めていて、国際社会からはイスラエルとハマスに対し、ワクチン接種のための戦闘停止を求める声が強まっています。
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