アフリカを中心にエムポックスの感染が拡大している=ロイター

【ジュネーブ=共同】世界保健機関(WHO)は30日、アフリカを中心に感染が拡大するエムポックス(サル痘)について、明治グループの製薬会社KMバイオロジクス(熊本市)を含む2社からワクチンの緊急使用許可の申請を受けたと明らかにした。テドロス事務局長は記者会見で「速やかに審査している」と述べ、2週間以内に承認されるとの見方を示した。

WHOによると、KMバイオとデンマークのバイオ企業、ババリアン・ノルディックが23日に申請した。日本の厚労省などによると、KMバイオの天然痘ワクチン「LC16」は2022年、エムポックスの予防に効果があると追加で承認された。テドロス氏は「ワクチンの安全性と効果は最優先事項だ」と述べた。

WHOは、欧州連合(EU)などを通じ23万回分のワクチンをすぐに発送できるよう確保。2社以外にも感染拡大に対応するため、各国や企業と協議しているとした。

テドロス氏によると、コンゴ(旧ザイール)では今年に入り、エムポックスの感染が疑われる事例が1万8千件以上報告され、629人が死亡している。

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