30日、ワシントンで開かれたイベントで話すトランプ前米大統領(AP=共同)

 【ワシントン共同】米大統領選の主要争点の一つである人工妊娠中絶を巡り、共和党候補トランプ前大統領(78)が揺れている。中絶に厳しい姿勢を示せば選挙戦で鍵を握る無党派層や女性から支持を得られず、穏健な態度では支持基盤の離反を招きかねない。民主党候補ハリス副大統領(59)はトランプ氏が全米一律の中絶禁止を目指していると訴えて勢いづき、トランプ氏は焦りを募らせている。  トランプ氏は29日NBCテレビのインタビューで、妊娠6週より後の中絶を実質的に禁じる地元のフロリダ州法は「短すぎる」と指摘。11月の大統領選と同時に同州で実施される住民投票で、胎児が子宮外で生存可能になるとされる24週ごろまで中絶を認めるよう州憲法を修正する案に関し「6週よりもっと時間が必要だ」と述べた。  厳しい規制を求めてトランプ氏を支持する中絶反対派は「裏切り」と怒りの声を上げ、反対派の団体幹部がトランプ氏に明確な態度表明を迫った。トランプ氏は30日、FOXニュースとのインタビューで一転「民主党は急進的だ。反対票を投じる」と語った。


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