記者会見するイスラエルのネタニヤフ首相(2日、エルサレム)=ロイター

【エルサレム=共同】パレスチナ自治区ガザの停戦交渉を巡り、イスラエルのネタニヤフ首相は2日の記者会見で、交渉の最大の争点であるガザ・エジプト境界のイスラエル軍駐留を続ける必要性を訴えた。「圧力に屈しない」と述べ、イスラム組織ハマスが求める軍のガザ完全撤退に応じない考えを改めて強調した。

軍は1日、ハマスの人質だった6人の遺体がガザ最南部ラファの地下トンネルで見つかったと発表。いずれも発見の数日前に至近距離で殺害されたとされ、イスラエルでは大規模デモやゼネストが開かれるなど、交渉の早期妥結を求める声が強まっていた。

ネタニヤフ氏は「6人が後頭部を撃たれて処刑された後にハマスに譲歩すれば、さらなる殺害を許すようなものだ」と主張した。国際社会の圧力はイスラエルではなくハマスに向けられるべきだと訴え、「ハマスに高い代償を求める」と警告した。戦闘の終結時期については「ハマスのガザ支配が終わった時」と述べた。

ハマス軍事部門は2日の声明で「合意ではなく軍の圧力を続けるならば、人質はひつぎで家族の元に帰ることになるだろう」と強くけん制した。

ネタニヤフ氏の記者会見に先立ち、バイデン米大統領は記者団に「ネタニヤフ氏は十分な行動をしていると思うか」と問われ「ノー」と回答。人質解放に向け十分な努力をしていないとの認識を示した。合意案を今週中に提示するかとの質問には「そこに非常に近づいている」と話した。

ガザ中部は3日、子どもたちへのポリオ予防接種のため、戦闘の一時休止期間の3日目に入った。ガザ保健当局によると、戦闘開始後のガザ側死者は4万786人。

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