ペートンタン氏(2023年撮影)

 【バンコク=藤川大樹】タイのワチラロンコン国王は4日、タクシン元首相の次女で、最大与党・タイ貢献党党首のペートンタン首相(37)が組織した新内閣を承認した。6日の就任宣誓式を経て新政権が正式に発足する。  地元メディアによると、新政権は貢献党を中心とする計15党の連立で、議席数は下院(定数500)の半数を上回る320超。貢献党は首相を含め計17の大臣・副大臣ポストを持ち、残り19のポストが連立パートナーに割り当てられる。  貢献党は組閣にあたり、前政権に参加していたプラウィット元副首相が率いる親軍政党・国民国家の力党(PPRP)の一部を連立から排除。一方で長年タクシン派と対立してきた民主党を新たに連立に迎えた。  プラウィット氏は、ペートンタン氏が選出された8月16日の首相指名選挙を欠席。また、セター前首相の解任を求める請願書を提出した前上院議員40人がプラウィット氏に近かったことから、貢献党は同氏への不満を募らせていた。  PPRPは計40人の下院議員を抱えるものの、プラウィット氏とタマナット前農業・協同組合相との間で亀裂ができ、党が分裂。プラウィット派は新政権から排除され、タマナット派が加わった。タマナット派は今後、新党を設立する可能性がある。 

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