北京の天安門広場(資料写真)

 【北京=河北彬光】中国とアフリカ諸国が参加する「中国アフリカ協力フォーラム」の首脳会合の開幕式が5日、北京であり、習近平国家主席が今後3年間にアフリカに対し3600億元(約7兆2800億円)の資金援助をすると表明した。米中対立の長期化をにらみ、グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国の取り込みに向けて経済支援の継続を約束した形だ。一方で参加国から対中貿易赤字に陥っている問題の改善を求める声も出ている。

◆国連加盟国の約3割占めるアフリカに影響力を

 首脳会合は2018年以来6年ぶり。アフリカ53カ国の首脳らが出席した。習氏は演説で、アフリカの「現代化」推進のため貿易面など10項目の援助をするとした。3600億元のうち約6割が有利子の融資。前回6年前に表明した援助は3年間で総額600億ドルで、今回はドル換算(約507億ドル)で比較すると約15%減となる。  アフリカは国連加盟国の3割近くを占めるだけに、中国は経済力をてこに関係構築に注力してきた。巨大経済圏構想「一帯一路」による鉄道や港湾、空港の建設に加え、職業訓練や食料問題といった民生支援の成果も強調する。今回も習氏は、多くの内容を10項目のメニューに含めて継続することを表明した。

◆対中貿易赤字の拡大に不満の声も

 中国はアフリカと「利益をともに得る関係」を強調するが、一帯一路で途上国の一部が陥る「債務のわな」問題に加え、アフリカ諸国の対中貿易赤字もくすぶる。ロイター通信によると、2023年は貿易赤字が前年比で46%拡大。習氏と2日会談した南アフリカのラマポーザ大統領は対中貿易赤字に言及し、中国側に「貿易構造の改善」を求めた。  習氏は4日までに南アを含む25カ国の首脳と個別会談を重ねた。フォーラムの会期は4~6日で、中国は「近年最大規模の外交行事」と強調している。 

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。