フランスでは、7月に決選投票が行われた議会下院にあたる国民議会の選挙で、マクロン大統領の与党連合が大幅に議席を減らし、アタル首相が辞任しましたが、どの勢力も過半数の議席を獲得できなかったため、後任の人事が決まらない異例の事態が続いていました。

こうしたなか、マクロン大統領は5日、新たな首相に右派の共和党のミシェル・バルニエ氏を任命しました。

バルニエ氏は73歳。

シラク元大統領のもとで外相を務めたほか、イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱交渉で、EU側の首席交渉官を務めました。

地元メディアは難しい交渉を担ったバルニエ氏の能力が評価されたといった見方などを伝えています。

バルニエ氏は5日夜、首相府で演説し「すべての政治勢力を尊重し、耳を傾ける必要がある」と述べ、各政党と連携していく姿勢を示しました。

一方、議会選挙を受けて最大勢力となった左派の連合の幹部などからは、新しい首相が左派の政党から選ばれなかったことについて「選挙結果の否定だ」といった反発も出ていて、政治の混乱が収束するかは不透明な情勢です。

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