【ワシントン=芦塚智子】米西部アリゾナ州の州議会下院は24日、人工妊娠中絶をほぼ全面的に禁じた160年前の州法を廃止する法案を可決した。民主党議員に加え共和党議員も一部賛成に回った。米メディアによると上院も可決する可能性が高い。
同州法はアリゾナが州になる前の1864年に成立し、受精時点からの中絶を禁じる。例外もほとんど認めない。長年凍結状態だったが、州最高裁が9日に効力を認める判断を下したため、廃止法が成立しなければ6月にも復活する見通しだった。
同法が廃止されれば、同州では2022年3月に成立した妊娠15週以降の中絶を禁止する州法が適用されることになる。
11月の大統領選を前に、中絶の全面禁止は民主党支持者だけでなく無党派や共和党穏健派にも反対が多い。アリゾナは大統領選の激戦州でもある。共和党の大統領候補指名が決まっているトランプ前大統領は、SNSへの投稿でアリゾナ州最高裁の判断を「行き過ぎだ」と批判し、州議会などに対応を求めていた。
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