【サンパウロ=共同】ブラジルでX(旧ツイッター)の遮断が始まって1週間となった7日、最大都市サンパウロなどで、Xの遮断や全面停止を命令した最高裁のアレシャンドレ・モラエス判事に対する抗議デモが行われた。参加者は「検閲をやめろ」とシュプレヒコールを上げた。
サンパウロ中心部のパウリスタ通りには、右派ボルソナロ前大統領の支持者を中心に数千人が集まった。ボルソナロ氏も参加し、演説でモラエス判事を「独裁者」と呼び批判した。通りはXを率いる米実業家イーロン・マスク氏の写真を掲げ支持を示す人や「判事を弾劾せよ」と書かれたプラカードを持つ人であふれた。
Xを利用していた投資家の男性フレノル・ピニェイロさん(48)は「Xを通じ世界で何が起きているのか早く知ることができたが、できなくなり大変。まるでブラジルが独裁国家になったようだ」と語った。
元教員の女性ロゼアニ・ジェラルジンさん(62)は「判事は(左派の)ルラ政権に寄りすぎだ。市民のことを考えていない。遮断はおかしい」と憤った。
ブラジルの司法当局は極右勢力などによる偽情報の拡散防止を念頭に、特定のアカウントを制限するようXに要求したが、マスク氏は拒否。Xが法定代理人の任命にも応じなかったため、モラエス判事が停止を命令し、8月31日から遮断が始まった。
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