10日、新たな会期が始まった国連総会では、これまで投票権のない「オブザーバー国家」として一番後ろの席に座っていたパレスチナについて席の変更が告知されました。

パレスチナのマンスール国連大使がスリランカの隣でパレスチナ国家を意味する「ステート・オブ・パレスチナ」と表示された前方の席に着くと、各国の代表らが相次いで握手を求めていました。

今回の措置は、ことし5月の総会でパレスチナの国連加盟を支持する決議が、日本を含む賛成多数で採択されたのを受けたものです。

ただ、正式な国連加盟には安全保障理事会の勧告決議が必要で、ことし4月、アメリカが拒否権を行使したことから、パレスチナの「オブザーバー」の地位は変わらないままとなっています。

今回の措置についてイスラエルの国連代表は議場で「10月7日に起きた殺りくや拉致を非難することを控えているパレスチナは格上げに値しない」と述べて、抗議しました。

パレスチナのマンスール大使はNHKの取材に対し「これは大きな出来事だ。国連の加盟国になるという当然かつ合法的な権利にわれわれを近づけるものだ」と話し、大きな成果だとの受け止めを示していました。

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