▼人工妊娠中絶 米国では人工妊娠中絶が世論を二分するテーマになっている。中絶の権利を擁護する「プロチョイス(選択重視)」には民主党支持者が多く、中絶反対の「プロライフ(生命重視)」は共和党支持者に多い。

米連邦最高裁は2022年6月、中絶を憲法上の権利として認める「ロー対ウェード判決」を49年ぶりに覆した。各州が個別に中絶を規制できるようになり、共和党が州議会の多数派を占める州は相次いで規制を強化した。それまでは胎児が子宮外で成育可能になるとされる23週前後までの中絶は、全米で原則合法だった。

中絶の全面禁止や全米での規制強化を巡っては、無党派層や共和の穏健派にも反対が根強い。米ギャラップの24年5月の調査によると「どの状況下でも中絶を違法とすべき」と回答した人は12%にとどまった。「一定の条件下で合法とすべき」は50%、「無条件で合法とすべき」は35%だった。22年11月の中間選挙でも中絶は争点の一つとなり、権利擁護を掲げた戦略が民主の善戦につながったとされる。

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