【ワシントン=鈴木龍司】11月のアメリカ大統領選で返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領は12日、自身の交流サイト(SNS)で、民主党のハリス副大統領との2度目のテレビ討論会について「行われることはない」と表明した。初対決となった10日の討論会で「優勢」との評価が目立ったハリス氏は10月中に再び開くことを求めているが、実現しない可能性が高まった。

トランプ氏(7月撮影)

 トランプ氏はSNSで10日の討論会に関して「世論調査では、私が勝利したことは明らかだ」と持論を展開。終了直後に2度目の開催を呼びかけたハリス氏を「プロボクサーが試合に負けたとき、最初に口にするのは『再試合を望む』だ」と皮肉った。トランプ氏は当初、9月中に3回の開催を提案しており、ハリス氏が拒否したとも強調した。  トランプ氏の投稿を受け、ハリス氏は12日に南部ノースカロライナ州で開いた集会で「有権者に対してもう一度、討論会を行う義務がある。この選挙で問われていることほど重要なものはないからだ」と非難した。  10日の討論会では、ハリス氏の挑発に乗ったトランプ氏が冷静さを欠く場面が目立ち、「移民が住民のペットの犬や猫を食べている」など根拠のない発言もあった。米CNNテレビの直後の世論調査では63%がハリス氏が優勢だったと回答。CNNは防戦に回ったトランプ氏に対し、側近の一部からも「がくぜんとした」との声が上がっていると報じた。 

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