【NQNニューヨーク=戸部実華】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに大幅に反発して始まり、午前9時35分現在は前日比572ドル45セント高の4万2075ドル55セントで推移している。上げ幅が600ドルを超える場面もあり、16日につけた過去最高値(4万1622ドル)を上回って推移している。前日に米連邦準備理事会(FRB)が大幅利下げを決め、米景気を支えるとの見方が改めて広がり、主力株に買いが入っている。

FRBは前日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の倍となる0.5%の利下げを決定した。発表後に買いが先行したものの、利益確定売りなどに押されて米主要株価指数は下げに転じて取引を終えていた。一夜明けた19日は大幅利下げが雇用や経済の急速な悪化を避け「ソフトランディング(軟着陸)を確実なものにする」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との見方が改めて意識された。

19日朝に発表された週間の米新規失業保険申請件数は21万9000件と前週の改定値から1万2000件減り、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(22万9000件)を下回った。労働市場の底堅さが確認されたことも、米景気に対する楽観を誘った。19日のアジアや欧州の主要な株式相場がそろって堅調となったことも、投資家心理を支えている。

個別銘柄ではキャタピラーやゴールドマン・サックス、ナイキなど景気敏感や消費関連株が高い。アップルやマイクロソフトといったハイテク株への買いも目立つ。一方、ディフェンシブ株は売りが優勢となり、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やメルクが売られている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反発して始まった。アルファベットやメタプラットフォームズ、エヌビディアが買われている。

多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も反発し、7月16日に付けた最高値(5667)を上回り、取引時間中として初めて5700台に乗せる場面があった。

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