NATO(北大西洋条約機構)のストルテンベルグ事務総長は、退任するのを前に演説し、経済的威圧について「ロシアで犯した過ちを中国で繰り返すべきではない」と主張しました。
ストルテンベルグ事務総長は19日、ベルギーの首都ブリュッセルで演説し、10年間の任期で得た安全保障上の教訓について語りました。
この中でロシアが天然ガスを威圧の武器として使い、ウクライナに対する支援を妨害しようとしたと非難した上で、「中国に対して同じ過ちを犯してはならない」と述べ、中国によるレアアースの輸出規制をけん制しました。
また、長期化するウクライナ情勢では、「対話は強力な軍事力に裏打ちされてこそ機能する」と語り、戦争を早く終結させるため、ウクライナにさらに多くの武器を提供するよう加盟国に呼び掛けました。
一方、アメリカのトランプ大統領が「ヨーロッパの国々がアメリカの分担金にただ乗りしている」と主張しているのを念頭に、「NATOの同盟国は、朝鮮戦争からアフガニスタン戦争まで、アメリカと肩を並べて戦い、多大な犠牲を払ってきた。
ヨーロッパがただ乗りをしているというのは、まったくの事実無根だ」と厳しく批判しました。
ストルテンベルグ事務総長は9月いっぱいで退任し、10月1日にはオランダのルッテ前首相が新たに就任します。
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