【バンコク=藤川大樹】日本型の高等専門学校(高専)制度を取り入れたタイ・バンコクの「キングモンクット工科大ラカバン校付属高専」で22日、第1期生の卒業式があり、20人の生徒が巣立っていった。

22日、タイ・バンコクのキングモンクット工科大ラカバン校付属高専で、宣誓の言葉を述べる卒業生ら=藤川大樹撮影

 産業の高度化を目指すタイ政府は、専門性を備えたエンジニアを育成するため、5年間の一貫教育で実践的な知識や技術を身に付ける高専制度の導入を決定。2019年に同大ラカバン校付属高専を、20年に同大トンブリ校付属高専を開校した。日本政府の円借款を活用し日本から教師を招致するなど、日本と同水準の高等教育を提供している。

◆ホンダやリコー、デンソーにも

 ラカバン校付属高専には7月現在、メカトロニクス工学、コンピューター工学、電気電子工学の3学科に計466人が在籍。講義は1年時から英語で行われ、在タイ日系企業での勤務を想定し、日本語が必修科目として設けられている。  19年入学の第1期生は日本の高専に編入した4人を含め計24人。このうち15人がホンダやリコー、デンソーなどの日系企業やタイ企業に就職し、9人はアドバンスドコース(専攻科)や日本の大学に進学した。  22日の式典には卒業生19人が出席。卒業生たちは卒業証書を受け取り、「タイの発展とタイ国民のために力を尽くす」と宣誓した。  日本航空で整備士として働くプーチダー・キッティワッタナチョートさん(20)は「勉強は大変だったが、エンジニアリングの知識を身に付けることができて良かった」と語った。 

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