国連で25日、海面上昇への対応をテーマに各国や地域の代表が現状や解決策について話し合うハイレベル会合が初めて開かれました。
冒頭、国連のグテーレス事務総長は「世界はいま危険な状況にある。温室効果ガスが地球を加熱し、氷をとかしている。潮目を変えるのは今だ」と呼びかけました。
続いて、各国の代表などが演説を行い、島国を中心とした途上国からは、日常生活がすでに深刻な影響を受けているといった報告や、資金援助などの国際社会の協力を訴える声が相次ぎました。
このうち南太平洋の島国ツバルは「海面上昇とともに飲み水の供給源となる地層に海水が浸透している。土壌の塩分濃度が高まり、作物の収穫量が減少している。代々過ごしてきた故郷に住めなくなる」と訴えました。
国連によりますと、世界の海面は2050年までに平均で最大30センチ上昇するという試算もあり、およそ10億人が直接的な影響を受けると指摘されています。
海面上昇をテーマにした議論は今後も続けられ、影響を受ける国の保護を目的とした宣言の取りまとめを2年後に目指すということです。
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