イスラエルと隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの間では、攻撃の応酬が続いています。

こうしたなか木原防衛大臣は27日午後、レバノンにいる日本人の国外退避に備えて、自衛隊に対し、周辺国のヨルダンとギリシャに自衛隊機を派遣し、現地で待機するよう命じました。

防衛省によりますと輸送機を両国に1機ずつ派遣する方向で調整しているということで、準備が整いしだい出発するとしています。

今回の中東情勢の悪化を受けた自衛隊の派遣命令は、2023年10月、イスラエルから在留邦人が出国する際の不測の事態に備えたものに続き、2度目となります。

自衛隊による在留邦人輸送は過去8回

海外に滞在している日本人などの自衛隊による輸送の任務は、自衛隊法に基づいて行われ、これまでに8回、実施されています。

【1回目】
初めて実施されたのは2004年で、自衛隊が派遣されていたイラクで情勢が悪化したことから、現地で取材活動にあたっていた日本の報道関係者10人を航空自衛隊の輸送機で隣国のクウェートまで退避させました。

【2回目】
11年前の2013年にアルジェリアで起きた人質事件の際には、政府専用機を派遣し、無事だった7人と、亡くなった9人を日本に運びました。

【3回目、4回目】
2016年には7月に2度行われ、バングラデシュの首都、ダッカで起きた襲撃事件では、死亡した7人と家族を日本まで運んだほか、その翌週には、政府軍と反政府勢力の間の武力衝突で治安が悪化した南スーダンから輸送機を使って大使館職員4人を退避させました。

【5回目】
2021年8月、アフガニスタンの情勢が悪化する中、輸送機などを派遣して、日本人女性1人を隣国のパキスタンに送り届けたほか、アフガニスタン人14人を輸送しました。

【6回目】
2023年4月、スーダンの首都・ハルツームを中心に軍と、準軍事組織の間で武力衝突が起き、日本人とその家族合わせて45人が輸送機でジブチに退避しました。

【7回目、8回目】
2023年10月と11月にはイスラエル・パレスチナ情勢が悪化する中、イスラエルから日本人や韓国人など合わせて129人を輸送機で日本に運びました。

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