【NQNニューヨーク=戸部実華】27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比137ドル89セント(0.32%)高の4万2313ドル00セントで終えた。24日以来となる過去最高値を更新した。同日朝発表の米経済指標がインフレが落ち着く流れにあることを示した。米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの見方につながり、消費関連や景気敏感株を中心に買いが優勢になった。

27日発表の8月の米個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率は前月比0.1%と7月(0.2%)から縮小した。食品とエネルギーを除くコア指数も前月比0.1%上昇し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.2%上昇)を下回った。コア指数の前年同月比上昇率は2.7%と市場予想に一致した。

市場ではインフレの鈍化傾向を受け「米連邦準備理事会(FRB)が利下げを続け、米経済のソフトランディングを後押しする」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との見方を誘った。次回11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも、FRBが2会合連続で通常の倍となる0.5%の利下げを決めるとの予想がやや高まった。

ミシガン大学が27日午前に発表した9月の米消費者態度指数(確報値)は70.1と、速報値(69.0)から上方修正され、市場予想(69.3)も上回った。「今週発表された9月の米消費者信頼感指数は市場予想を下回っていたが、27日は消費者の景況感の改善がみられ、消費を巡る懸念が薄れた」(LPLファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏)との受け止めがあった。

ダウ平均は上昇幅が一時450ドルあまりに達したものの、買い一巡後は伸び悩んだ。今週は連日で最高値を更新する場面があり、米株相場全般が堅調に推移した。27日は週末を控えてハイテクや半導体関連を中心に主力株に利益を確定する売りも出やすく、相場の重荷となった。

個別銘柄ではシェブロンやビザ、ボーイングが高い。ユナイテッドヘルス・グループやアムジェンも買われた。半面、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフト、スリーエム(3M)は安い。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落した。前日比70.701ポイント(0.38%)安の1万8119.590で終えた。買いが先行したものの、目先の利益を確定する売りに押された。エヌビディアやブロードコムなど半導体株への売りが目立った。

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