レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラ指導者ナスララ師の殺害を巡り、イランがイスラエルへの報復として直接攻撃を実施するかどうかの最終判断を保留していることが30日、分かった。イラン高官は共同通信に対し「イランは自制している」と述べた。直接攻撃に踏み切ればイスラエルの反撃は必至。イランは中東情勢の一層の悪化を避けたいとの思惑から、報復の時期や方法を慎重に検討しているもようだ。  高官は、報復に向けてヒズボラなど中東各地の親イラン組織に対する軍事支援を強化する方針を示した。  イスラエルは9月からレバノン南部や首都ベイルートのヒズボラ拠点を激しく空爆し、レバノンに地上侵攻する構えを示している。イランは親イラン組織の筆頭格であるヒズボラの指導者や幹部を相次いで失い、高官は「非常に犠牲が多い」と認めた。  イラン側はイスラエルとの緊張をさらに悪化させたくない意向。ただ、高官は「イスラエルへの適切な対応を渋れば、イスラエルがイランへの作戦を強化する」と述べ、報復の選択肢を保持する重要性を示した。


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