1日から建国記念日「国慶節」の大型連休に入った中国。
これまでに日本では考えられないほどの渋滞に加え、悲惨な事件も起きています。
各地の混乱をFNNが取材しました。
国慶節の7連休では、延べ19億人以上が移動するとされています。
連休中は全国の高速道路が全て無料となるため大渋滞。
渋滞は夜が明けても解消せず、中には車を降りて犬の散歩をさせる人の姿もありました。
また、風のないトンネル内では、バドミントンで時間潰し。
その周りでは、ドライバーたちが見物しています。
中国の旅行サイトによると、国内における2024年の旅行先の一番人気は北京。
実際、世界遺産の故宮には、早朝から多くの人が詰めかけていました。
中国人観光客は「私たちは午前3時22分の列車に乗って(河北省から)来ました」「午前1時に(ホテルを出たあと)タクシーに乗って、天安門広場の国旗掲揚を見ました」と話しました。
市内だけではありません。
北京郊外にある世界遺産「万里の長城」も大混雑です。
あまりの人の多さに少しぐったりとした様子の家族もいました。
中国人観光客:
国慶節だから人が多いのは仕方ないですね。
一方、この大移動を前にした中国では、痛ましい事件が起きました。
30日午後10時前、上海市のスーパーマーケットで無差別切りつけ事件が発生。
37歳の中国人の男が、その場で拘束されました。
当時の店内を捉えた防犯カメラの映像があります。
画面右から現れた青いシャツに黒のパンツ姿の男。
両手に刃物を握っているのが確認できます。
男が現れると、辺りに悲鳴が響き渡り、慌てて逃げる人の姿も見られます。
最初の切り付けは3階で発生し、さらに男は1階まで移動しながら、手当たり次第に犯行に及んだといいます。
現場を目撃した住民は「(犯人は)人を見たら、大人でも子どもでも年寄りでも刺した」「亡くなった人の中には子どももいた」と話しました。
店内で無差別に人を襲ったという男。
犯行直後に撮影されたとみられる映像には、女性が子供を抱きかかえる横で、脇腹を押さえながら倒れている人の様子が記録されていました。
この事件で18人が切り付けられ、うち3人が死亡、残る15人がけがをして治療を受けています。
被害者の中に日本人はいませんでした。
一夜が明け、現場は物々しい雰囲気に包まれていました。
スーパーマーケットの店員の話では、公安当局から「何も話さない」という署名を求められたといいます。
SNS上からも関連する動画が削除されるなど、できるだけ速やかに鎮静化させたい当局の思惑があるとみられます。
男が犯行に及んだ理由について、地元当局は「容疑者は経済的問題を抱える地方の若者で、うっぷんを晴らすためだったようだ」とし、「個人的な経済トラブルが理由」だと発表しています。
日本大使館は中国にいる日本人に対して、外出の際は安全確保に努めるよう呼びかけています。
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