米ウォール街=AP

【NQNニューヨーク=横内理恵】3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落して始まり、午前9時40分現在は前日比217ドル16セント安の4万1979ドル36セントで推移している。イスラエルとイランを巡る中東の地政学リスクが高まることへの懸念が相場の重荷となっている。4日に9月の米雇用統計の発表を控えて持ち高調整の売りも出ているとみられ、ダウ平均の下げ幅は300ドルを超える場面がある。

イスラエルがイランによる弾道ミサイル攻撃への報復を数日以内に始めるとみられ、イランの核施設や石油施設が標的となる可能性がある。イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの戦闘も激しくなっており、中東情勢の緊迫化が嫌気された。

1日に始まった米東海岸の港湾労働者のストライキによる物流停滞への影響も懸念されている。ダウ平均や多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は週初に最高値を更新しており、高値警戒感や割高感からも主力株への利益確定売りが出やすい。

一方、ダウ平均の構成銘柄ではないがエヌビディアが3%あまり上昇し、半導体株の一角が連れ高している。2日夕に米CNBCの番組に出演したエヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が次世代人工知能(AI)向け半導体「ブラックウェル」の需要が「常軌を逸している」と述べたことを手がかりに買いが入った。

ダウ平均ではトラベラーズやユナイテッドヘルス・グループなどが売られている。ダウやキャタピラー、JPモルガン・チェースも安い。一方、IBMが小幅に上昇している。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で推移している。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やマイクロン・テクノロジーといった半導体株が上昇している。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。