ウクライナの反汚職裁判所は26日、国有地を不正に取得したなどとして、ミコラ・ソルスキー農業政策・食料相(44)の勾留を決めた。ウクライナメディアが一斉に報じた。ソルスキー氏は25日、議会に辞表を提出している。

 ウクライナ国家反汚職局(NABU)と反汚職専門検察(SAP)は今月23日、ソルスキー氏ら13人が2017~21年、北東部スーミ州にある2億9100万フリブナ(11億5千万円)相当の国有地2500ヘクタールを不正に取得した上で、1億9千万フリブナ(約7億5千万円)相当の3300ヘクタールも取得しようとしていた疑いがあると発表していた。

 ソルスキー氏は19年から国会議員を務め、ロシアによる全面侵攻開始後の22年3月から現職。23日にはSNSで「容疑は私が弁護士だった17~18年当時の出来事と関係している。国有企業と個々人との土地をめぐる紛争に関するもので、裁判所によって解決された」と訴え、容疑を否認していた。

 ウクライナの国営通信社「ウクルインフォルム」によると、裁判所は検察側の請求に応じ、60日間の勾留を認めた。検察側はソルスキー氏がこれまでに複数回、戦時体制下にもかかわらず国外に出ていたと主張し、保釈金は7570万フリブナ(約3億円)に設定されたという。(ロンドン=藤原学思)

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