【ワシントン=赤木俊介】米労働省が11日発表した9月の卸売物価指数(PPI)は前月比の上昇率(季節調整済み)が横ばいとなった。ダウ・ジョーンズ集計の市場予測(0.1%上昇)を下回り、インフレの鈍化傾向を示すかたちとなった。
品目別でみると、9月は製品の価格が前月から0.2%低下した。エネルギー価格が2.7%低下し、全体を押し下げた。ガソリン価格は5.6%低下し、軽油やジェット燃料の価格も下がった。鶏卵やプラスチック樹脂の価格も低下した。一方で、鶏肉の価格は8.8%上昇した。
サービスの価格は0.2%上昇した。預金サービスの価格が3.0%上昇した影響が大きい。機械・車両の卸売販売、家具の小売販売、アパレル卸売販売などの手数料も上昇した。一方、証券仲介サービスなどの価格は低下した。
PPIの前年同月比(季節調整前)の上昇率は1.8%だった。伸び幅は上方修正された前月の改定値から0.1ポイント低下した。変動の激しいエネルギー・食品・物流を除いた価格指数は前年同月比で3.2%上昇した。
調査会社パンテオン・マクロエコノミクスのチーフ米国エコノミスト、サミュエル・トゥームズ氏は「『ディスインフレ』の傾向が定着している」と指摘する。大型ハリケーンの影響で短期的に製品の需要が増加する可能性もあるものの、「インフレ期待の低下と(長期的な)需要低下、過剰在庫が小売業者に圧力をかける」と分析した。
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